
2025年、2026年の高松宮記念を連覇し、2025年度のJRA賞最優秀スプリンターにも選出されたサトノレーヴが、現役を引退することになった。
9月7日、堀宣行調教師が発表。
今後は北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入りする予定となっている。
2019年生まれのサトノレーヴは、2022年4月に中山競馬場でデビュー。
そこから着実に力をつけ、2024年に函館スプリントS、キーンランドCを連勝して短距離重賞の頂点へ進出すると、2025年には悲願だったGⅠタイトルを獲得。
さらに2026年には高松宮記念を史上でも限られた馬しか成し遂げていない連覇で制した。
そして国内だけにとどまらず、香港、英国のGⅠにも挑戦。
海外の強豪を相手に何度も好走し、日本を代表するスプリンターとしてその名を世界に刻んだ。
この記事では、そんなサトノレーヴの現役時代の功績、通算成績、血統、そして最後の海外挑戦までを振り返る。
- サトノレーヴが現役引退、社台スタリオンステーションで種牡馬入りへ
- サトノレーヴのプロフィール
- デビューは2022年4月の中山
- 2024年、短距離界のトップへ
- 2025年、高松宮記念で悲願のGⅠ制覇
- JRA賞最優秀スプリンターに選出
- 香港遠征で世界の強豪と激突
- 英国でもGⅠ・2着、3着
- 2026年、高松宮記念を連覇
- 7歳でも衰えなかった末脚
- 2026年は英国で最後の挑戦
- サトノレーヴの通算成績
- サトノレーヴの主なGⅠ実績
- 血統にも注目
- 兄ハクサンムーンとの兄弟GⅠ制覇はならず
- 「速いだけ」ではなかったサトノレーヴ
- 競走馬として最後まで挑戦を続けた
- 次の舞台は「種牡馬」
- サトノレーヴが残したもの
- まとめ|サトノレーヴ、世界に挑んだ「最優秀スプリンター」
サトノレーヴが現役引退、社台スタリオンステーションで種牡馬入りへ
サトノレーヴの引退が発表されたのは2026年9月7日。
2026年8月22日に英国ヨーク競馬場で行われたシティオブヨークS(GⅠ・芝1400m)9着が最後のレースとなった。
その後9月6日に帰国し、現在はJRA競馬学校で輸入検疫中。
その後、9月17日に社台スタリオンステーションへ移動し、種牡馬として第二の馬生をスタートする予定となっている。
堀調教師は、約4カ月にわたる英国滞在を終えて帰国したことを報告するとともに、海外遠征中のファンからの声援に感謝を表明。
長期の海外滞在を経ての引退となったが、その決断の背景には、国外滞在が90日を超えた場合の検疫上の制約などもあったと説明している。
7歳まで現役を続け、最後は英国でGⅠに挑戦。
まさに世界を舞台に走り切った競走馬生活だった。
サトノレーヴのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 馬名 | サトノレーヴ |
| 性齢 | 牡7歳 |
| 毛色 | 鹿毛 |
| 生年月日 | 2019年3月22日 |
| 父 | ロードカナロア |
| 母 | チリエージェ |
| 母父 | サクラバクシンオー |
| 生産者 | 白井牧場 |
| 馬主 | 里見治 |
| 調教師 | 堀宣行(美浦) |
| 通算成績 | 21戦9勝 [9-5-2-5] |
| 獲得賞金 | 約8億9,059万円 |
| 主な勝ち鞍 | 高松宮記念2勝、函館スプリントS、キーンランドC |
| JRA賞 | 2025年度最優秀スプリンター |
通算成績は21戦9勝【9-5-2-5】。
海外では8戦して勝利こそなかったものの、香港と英国のGⅠで2着、3着を記録するなど、日本国内だけでは測れない能力を示した。
総獲得賞金は約8億9,059万円。
そのうち中央競馬での獲得賞金は約5億4,419万円となっている。
デビューは2022年4月の中山
サトノレーヴがデビューしたのは2022年4月。
中山競馬場の芝1200mで初陣を迎え、見事に初勝利を飾った。
その後も順調に勝ち星を重ね、2024年には一気に短距離界の主役候補へと成長していく。
2024年の函館スプリントSで重賞初制覇。
さらに続くキーンランドCも勝利し、同一年に北海道のスプリント重賞を連勝する快挙を達成した。
函館スプリントSからキーンランドCという重賞連勝は、2010年ワンカラット、2011年カレンチャンに続く史上3頭目の記録だった。
そしてこの年、サトノレーヴはサマースプリントシリーズのチャンピオンにも輝いた。
2024年、短距離界のトップへ
2024年のサトノレーヴは、
函館スプリントS → キーンランドC
という重賞連勝で一気に注目を集めた。
特にキーンランドCでは、函館スプリントSに続いて好位から抜け出す強い競馬。
短距離馬にありがちな一瞬のスピードだけではなく、1200mを最後まで押し切る持続力が大きな武器だった。
そして秋にはスプリンターズSへ。
この時点ですでにGⅠ級の評価を受ける存在となり、短距離界の中心勢力へと成長していた。
2025年、高松宮記念で悲願のGⅠ制覇
サトノレーヴにとって最大の転機となったのが2025年。
3月30日の高松宮記念で、ついにGⅠタイトルを手にした。
2025年の高松宮記念は良馬場で行われ、サトノレーヴは持ち前のスピードと切れ味を存分に発揮。
最後の直線で鋭く伸び、悲願のGⅠ初制覇を成し遂げた。
これまで重賞で実績を積み重ねてきたサトノレーヴにとって、まさにキャリアの頂点となる勝利だった。
そしてこの高松宮記念制覇を決定打として、2025年度のJRA賞最優秀スプリンターに選出された。
JRA公式によると、2025年は5戦1勝ながら、その唯一の勝利が高松宮記念。
海外3戦を含むシーズンで、短距離界の頂点に立った。
JRA賞最優秀スプリンターに選出
2025年度のJRA賞では、サトノレーヴが最優秀スプリンターに選出された。
父ロードカナロア、母チリエージェという血統背景も含め、まさに日本のスプリント競馬を象徴する存在となった。
ロードカナロアは日本を代表する歴史的スプリンター。
その産駒からサトノレーヴが現れ、さらに自身もGⅠを制覇。
「ロードカナロアの後継種牡馬」という意味でも、今回の社台スタリオンステーション入りは大きな意味を持つ。
香港遠征で世界の強豪と激突
サトノレーヴの評価をさらに高めたのが、海外遠征だった。
2025年には香港スプリントに挑戦。
そして2025年、2026年と香港のチェアマンズスプリントプライズへ挑戦し、2年連続で2着に入った。
いずれも香港のトップスプリンター、カーインライジングの後塵を拝したものの、世界最高峰クラスの短距離戦で連続して2着。
これは単なる「日本国内のGⅠ馬」ではなく、世界のスプリントGⅠで勝負できる馬だったことを示す実績だ。
特に2026年のチェアマンズスプリントプライズでは、高松宮記念連覇直後に海外へ遠征。
7歳を迎えても衰えを見せないことを証明した。
英国でもGⅠ・2着、3着
2026年は香港だけでは終わらなかった。
サトノレーヴは春から英国へ渡り、ロイヤルアスコット開催の**クイーンエリザベス2世ジュビリーS(GⅠ)**に出走。
ここでも2着に好走した。
さらに7月の**ジュライC(GⅠ)**では3着。
英国のトップスプリンターを相手に、海外GⅠで連続して上位に食い込んだ。
クイーンエリザベス2世ジュビリーS、チェアマンズスプリントプライズといった世界屈指のスプリントGⅠで2着。
さらにジュライCでも3着。
勝利には届かなかったものの、世界の舞台でこれだけ安定して上位に来た日本馬は非常に貴重だ。
2026年、高松宮記念を連覇
そして2026年3月29日。
サトノレーヴは再び中京競馬場の芝1200mへ。
前年の勝者として1番人気に支持された高松宮記念で、見事に勝利。
高松宮記念連覇を達成した。
レースでは前半600mが32秒5という速い流れ。
サトノレーヴは中団付近でじっくり構え、最後の直線で鋭い末脚を発揮。
推定上がり3ハロン32秒4という強烈な末脚で差し切った。
勝ちタイムは1分6秒3。
2着レッドモンレーヴに2馬身差をつける完勝だった。
これで、
2025年 高松宮記念
2026年 高松宮記念
という、2年連続の春のスプリント王となった。
7歳でも衰えなかった末脚
2026年の高松宮記念で特筆すべきなのは、7歳という年齢だった。
通常、短距離馬は年齢を重ねるにつれてスピード能力の維持が難しくなる。
ところがサトノレーヴは、7歳でGⅠを勝利。
しかも単なる展開利ではない。
前半32秒5という厳しい流れを中団で耐え、最後は32秒4の末脚で差し切った。
JRAも「7歳になったが、まったく衰えのないことを実証した」と評価している。
この勝利によって、サトノレーヴは名実ともに日本スプリント界のトップへ君臨した。
2026年は英国で最後の挑戦
高松宮記念連覇後も、サトノレーヴは現役を続行。
4カ月にわたって英国に滞在し、
- クイーンエリザベス2世ジュビリーS=2着
- ジュライC=3着
- シティオブヨークS=9着
と、英国のGⅠを転戦した。
最後のレースとなったシティオブヨークSでは9着。
しかし、その一戦がサトノレーヴの競走馬としての最後の姿となった。
日本のGⅠを連覇した後、海外のトップレベルに挑戦して現役生活を終える。
これもサトノレーヴらしい競走馬人生と言えるだろう。
サトノレーヴの通算成績
サトノレーヴの最終的な通算成績は、
21戦9勝【9-5-2-5】
となった。
国内では13戦9勝。
海外では8戦して、2着3回、3着1回を記録している。
サトノレーヴ・主な戦績
| 年 | レース | 着順 |
|---|---|---|
| 2022 | 中山・新馬戦 | 1着 |
| 2024 | 函館スプリントS(GⅢ) | 1着 |
| 2024 | キーンランドC(GⅢ) | 1着 |
| 2025 | 高松宮記念(GⅠ) | 1着 |
| 2025 | チェアマンズスプリントプライズ(GⅠ) | 2着 |
| 2025 | スプリンターズS(GⅠ) | 4着 |
| 2026 | 高松宮記念(GⅠ) | 1着 |
| 2026 | チェアマンズスプリントプライズ(GⅠ) | 2着 |
| 2026 | クイーンエリザベス2世ジュビリーS(GⅠ) | 2着 |
| 2026 | ジュライC(GⅠ) | 3着 |
| 2026 | シティオブヨークS(GⅠ) | 9着 |
最終的な重賞勝利は4勝。
そのうちGⅠが2勝、GⅢが2勝となる。
サトノレーヴの主なGⅠ実績
サトノレーヴの価値を語るうえで、国内GⅠだけを見るのはもったいない。
高松宮記念
2025年 1着
2026年 1着
2年連続制覇。
チェアマンズスプリントプライズ
2025年 2着
2026年 2着
香港のトップスプリンターを相手に2年連続2着。
クイーンエリザベス2世ジュビリーS
2026年 2着
英国のロイヤルアスコット開催を代表するスプリントGⅠで2着。
ジュライC
2026年 3着
英国を代表するスプリントGⅠでも上位入線。
これだけ海外GⅠで結果を残したことは、サトノレーヴの競走能力を評価するうえで非常に重要だ。
血統にも注目
サトノレーヴは、
父ロードカナロア
母チリエージェ
母父サクラバクシンオー
という、非常にスプリント色の強い血統を持つ。
父ロードカナロアは、日本競馬史に残る名スプリンター。
そして母父サクラバクシンオーも、日本を代表するスプリンターだ。
さらに母チリエージェからは、重賞3勝を挙げたハクサンムーンが出ている。
ハクサンムーンは京阪杯、セントウルS、アイビスサマーダッシュを制した快速馬。
つまりサトノレーヴは、
ロードカナロア × サクラバクシンオー
という日本競馬を代表するスプリント血統に加え、母系からも快速馬が出ている。
短距離馬として非常に魅力的な血統背景を持っている。
兄ハクサンムーンとの兄弟GⅠ制覇はならず
サトノレーヴの半兄として知られるのがハクサンムーン。
ハクサンムーンも短距離界で長く活躍した名馬だった。
一方、ハクサンムーンはGⅠ制覇にあと一歩届かなかった。
それに対して弟サトノレーヴは、高松宮記念を2度制覇。
兄が届かなかったGⅠタイトルを弟がつかみ、さらにその弟は世界のGⅠでも好走した。
兄弟で日本短距離界を盛り上げた血統としても注目される。
「速いだけ」ではなかったサトノレーヴ
サトノレーヴの最大の特徴は、単純なスピードだけではない。
1200mのスプリント戦では、
速い流れを追走する能力
好位~中団からの立ち回り
最後まで脚を残す持続力
そしてゴール前の鋭い末脚
を兼ね備えていた。
2026年高松宮記念がその象徴だった。
前半600m32秒5という速い流れを中団で追走し、最後は32秒4の上がりで差し切る。
これは単純な逃げ・先行型スプリンターではできない芸当だ。
また海外GⅠでの好走を見る限り、日本独特の1200m戦だけでなく、香港や英国のスプリント競馬にも対応できる能力を持っていた。
日本だけでなく世界で戦えるスプリンターだった。
これこそサトノレーヴの最大の功績だろう。
競走馬として最後まで挑戦を続けた
サトノレーヴの競走馬生活を振り返ると、決して早い段階からエリート街道を歩いていた馬ではない。
2022年にデビューし、5歳となった2024年に初めて重賞を制覇。
そこから、
函館スプリントS
↓
キーンランドC
↓
高松宮記念
↓
JRA賞最優秀スプリンター
↓
高松宮記念連覇
↓
香港GⅠ
↓
英国GⅠ
と、年齢を重ねるごとに舞台を広げていった。
7歳で高松宮記念を連覇した後も、国内にとどまらず英国へ挑戦。
最後まで「もっと強い相手と戦う」という姿勢を貫いた。
その競走生活は、21戦9勝という数字以上に価値がある。
次の舞台は「種牡馬」
現役生活を終えたサトノレーヴは、北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入りする。
種牡馬として期待される最大の魅力は、やはり血統と競走実績の両方だ。
父はロードカナロア。
母父はサクラバクシンオー。
そして自身は高松宮記念を2勝。
さらに海外GⅠでも香港、英国で好走している。
日本競馬が誇るスプリント血統を持ちながら、自身は世界の舞台でも結果を残した。
その血が次世代にどのように伝わるのか、非常に楽しみな存在となる。
サトノレーヴが残したもの
サトノレーヴの現役生活を振り返ると、4つの功績が特に大きい。
1.高松宮記念連覇
2025年、2026年と連覇。
春のスプリント王として2年間君臨した。
2.JRA賞最優秀スプリンター
2025年度の最優秀スプリンターに選出。
名実ともに日本短距離界の頂点に立った。
3.海外GⅠでの好走
香港のチェアマンズスプリントプライズで2年連続2着。
英国でもクイーンエリザベス2世ジュビリーS2着、ジュライC3着。
世界レベルで戦える日本馬であることを証明した。
4.名スプリント血統の継承
ロードカナロア×サクラバクシンオーという、日本を代表するスピード血統。
そこに自身のGⅠ実績が加わり、次世代への期待は非常に大きい。
まとめ|サトノレーヴ、世界に挑んだ「最優秀スプリンター」
2026年9月7日、サトノレーヴの現役引退が発表された。
最終成績は、21戦9勝【9-5-2-5】
重賞4勝。
GⅠ2勝。
そしてそのGⅠタイトルは、高松宮記念2連覇。
さらに2025年度JRA賞最優秀スプリンターに選出された。
しかし、サトノレーヴの価値は国内でのGⅠ勝利だけではない。
香港のチェアマンズスプリントプライズで2年連続2着。
英国のクイーンエリザベス2世ジュビリーSでも2着。
ジュライCでも3着。
世界最高峰のスプリンターを相手に、何度も日本代表として上位争いを演じた。
そして7歳で高松宮記念を連覇した後、最後は英国でGⅠに挑戦して現役を終えた。
国内最強から世界へ。
サトノレーヴは、日本の短距離界を代表する名スプリンターとして、その名を競馬史に刻んだ。
今後は社台スタリオンステーションで種牡馬として新たなスタートを切る。
ロードカナロア、サクラバクシンオー、そしてサトノレーヴ。
日本を代表するスプリント血統が、次の世代でどのような夢を見せてくれるのか。
サトノレーヴの「夢」は、今度は産駒へと受け継がれていく。


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